ついについた。
妻と子供達は近くのカフェで待機。
なんかドキドキ。
朝はあんな電話あったけど
どんな顔して挨拶に行けばいいのだろう。
父親に会えない事はわかってたけど
一応父親の事は聞きたい。
おばあちゃんは仕事柄接するの得意だけど
他人であって他人じゃないからこそ緊張する。
朝の電話に折り返しかける。
「ちょっと場所わからなくて、家のすぐ近く
なんですけど出てきてもらえませんか？」
すると腰が90度くらい曲がった
おばあちゃんがヨタヨタと出てきた。
身体の悪そうな姿を見て
一瞬にして仕事スイッチ発動。
「大丈夫？あー、ごめんなさい！
僕行くんで待っててください！！」
さっきまでの緊張はなくなり
凄く親近感が湧いてきた。
とりあえず玄関に腰掛けさせていただき
話をする事に。
数ヶ月前に圧迫骨折をしてから
ずっと腰が曲がっているよう。
おばあちゃんの姿は
どこか品のある風貌で思っていたよりも
優しそうな話し方。
さっきの電話では冷たかったけど想像と違う。
今回は僕自身の問題を解決する為の旅。
父親に話す代わりに
色んな想いとこちらの現状を伝えた。
おばあちゃんにとって
一人息子の父親はとても大事な存在で
昔一方的に子供を離され、離婚した
母親に対する気持ちと、傷ついた父親に対する
思いから今回の件や、手紙の事は伝えられない。と涙ながらに申し訳なさそうに話していた。
それでもよかった。
優しそうなおばあちゃんは代わりに。と
今の父親の写真を見せてくれた。
イメージとは違って老けていた。笑
でもどこか優しさを感じる。
今は亡き自分の兄の姿がそこには感じられた。
今は運送の仕事をしていて、
子供はいないけど再婚もしているとのこと。
奥さんは僕の存在を知らないみたいだった。
僕も父親の夫婦関係に亀裂を
入れるような事はしたくない。
本当は手土産に持ってきたお土産も
渡さず、手紙も破棄をするようにお願いをした。
30分くらい話をして僕はその場を去った。
正直29年もたって他人と等しい人間。
迷惑がられる覚悟で臨んだ今回の旅。
直接父親に会えたわけではないけど
ずっと知らなかった父親の姿を知れた事。
父親は兄ととても似ていて繊細で優しい
人だということを知れた事。
自分や兄の想いや、
今まで背負ってきたことを伝えられた事。
それだけで充分だった。
なんとも言えない気持ちの軽さを感じる。
わざわざ兵庫まで寝不足になりながらも
家族を連れてきたけど、
兄がなくなった歳と同じ
28歳最後の日に
ここを訪れた事には
何かしらの意味があったんだな。
と終わってみて思う。
その日の夜は有馬温泉の月光園に宿泊。
妻と子供達に誕生日を祝ってもらった。
今回僕自身の個人的な事情の旅に
文句も言わずついてきてくれた妻。
話を聞いて涙を流しながら
色々考えてくれていた妻に本当に感謝してる。
俺と結婚してくれてありがとう^ ^
きてよかった。
2022/9/28 6:57
妻と有馬温泉の朝風呂にはいって
今喫煙所でこの日記を書いてる。
今日は淡路島に行って
美味しいものを食べる予定。
ラスト20代。
心置きなく仲間達と共に
理想の未来に向けて挑戦をしていこう。
