かまちんblog ~夢への第一歩~

~かまちんの知恵袋~ ⁡ 日々勉強や経験を積んでいく中で感じたことを正直に書き留めていくブログ。これは議事録。

死んだ夢

 

兄の日記から参照。

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家族が泣いていた。死後もこの世界に僕はいた。
僕はバイト先の窓から転落して死んだ。胴体が真っ二つだった。


でも僕は普段と何ら変わらないようにこの世界にいた。

 


普段と何ら変わらないように携帯をいじってた。

 

携帯の電波の動きで家族に存在が悟られた。

視線は合わないが語りかけてくるので

携帯をいじって存在をアビールした。

 


やっぱり霊はいるんだ、というような

思い通りのリアクションをしていた。

 

この事実をより多くの人に広めたいとも

思ったが、何よりこの事実に困惑

しているのは僕だった。

 


死後もこの世界に留まっていること

が信じられなかった。


死んだら訳の分からない半透明体となって

一生この世に留まり続けるのだろうか、

まあ慣れ親しんだこの世だから不満は無かった。


これから何をすれはいいのだろう。

 

僕は思い立ったように思い出の地や

出身校をうろついた。


あの頃の記憶をなぞる様に。

 

友達とやんちゃをした思い出の地、

皆で旅行に出かけた思い出の地、

喧嘩で苦い思いをした因縁の地すらも

懐かしかった。

 

全ての地に当時の僕の存在が投影され

映し出されているようだった。

 

しかしこの世に留まる時間が

長くなるにつれて、僕の行動パターンは

普段と何ら変わらなくなっていた。

 

携帯をいじりニュースを見るのが日課

たまに散歩で本屋に行き、祭りがあれば

参加し、夜は自宅・・・いや、なぜか

自宅には留まってなかった。

 

死んだからなのか夜の方が活発で

居心地ちが良かった。思い出の地巡りも

ほとんどが夜だ。日中は建物内に

いることが多かった。

 

バイト先にも行ったが、ここで奇妙な

体験をした。バイト先の先輩が霊感が

あるのか、僕の存在を認知して普通に

バイトの手伝いを促してきた。

もちろん困惑した。手伝う気はなかったが、

トイレでサボってると怒られた。

 

僕は徐々に記憶が弱くなっていることに

気づき始めた。もっとうろつきたい、

そんな思いも消え始めていた。

 

ここで悟った。この世に留まれる

時間ににはリミットがある。

 

僕はこれからどうなるのか本能的に

悟ってしまった。まだ間に合う。


僕は携帯を手に取りブログを更新した。

人生で最後の更新だ。

 

いや、人生は既に終わっているか。

僕は死んだら人はどうなるのかを

誰かに伝えるために書き綴った。


しばらくは普段と何ら変わらないように

ここに留まる。心の準備期間なのだろう。


しかし長く滞在するほど本人の意志とは

裏腹に、この世への執着心や思いが消えていく。

どうでも良くなってくるのだ。
記憶すらもぼやけてくる。

 

僕は既にこの段階にいた。
もっと留まっていたかった。

 

間接的だけど家族にも認知されてることが

嬉しかった。思い出の地を巡れるのが

嬉しかった。


もっとこのよに留まって遊んでいたかった。
しかし裏腹に興味はなくなってゆく。

 

それは眠い人が睡魔に負けるように、

抗いきれないものだった。

 

僕はこの世から消える。恐怖は無かったが

この世を離れる寂しさと、今までの家族への

感謝の気持ち、この世への名残惜しい

気持ちが渦巻いていた。

 

しかしこの感情はどこかで経験したことがある・・・僕は何度も経験しているような

気がしていた。何度もこの世を離れる

寂しさを経験しているような気が・・・

 

 

ふとすると僕は暗闇の中にいた。。。

ここは・・・僕はこの時もなお、

自分は死んでいる と思っていた。

 

 

 

しかし僕は布団の中にいただけだった。

生きていた。ただの夢だった。

あっけにとられた。

 

 

本当か信じられずに手足を動かしてさえ

確認をとった。こっちが夢であっちが

現実であると思ってた。思いたかった。

いや信じられなかった。

 

僕は成仏の間際に人生が何たるかを

悟り、感情も体感した。

 

なのに生きていた。

 

壮大なドラマのオチが「夢オチ」

だったかのような脱陸感を感じ、

しばらくは何もリアクションできやかった。

 

 

今こうやって日記を書いているが、今

でも変らない。僕はもうひとつの、

違う世界で、もうひとつの人生を終えてきた。

 

人生を二回経験しているような気持ちだ。

 

 

こっちの人生では後悔の無いように、

未練の無いように、精一杯生きていたい。

 

 

所詮夢だろうが、あの時の感覚は本物だった。

死んだら本当に経験する過程のようだった。

 

この夢をこの時期に見たこと自体が

不思議だった。

 

一番苦しくて、生きる意味を見失いつつ

あったこの時期に、まるでチョイスして

見せられているかのように、何かを

気付かされる夢だった。

 

 

人生には影で操るシナリオライター

みたいなのがいるんじゃないか、と思った。

 

僕の今の苦境に対して、何かを気付かそう

としているような夢だった。

 

この夢は僕の人生に置いて最も

印象的な夢になるだろう。

 

人生の最期を体験してしまったのだから

 

 

 

 

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まるで本当に亡くなってから書いたのかと思うくらいリアルな日記。

 

本当はどうなんだろう。

 

兄が亡くなってからもう3年が経つ。

いつも何かのメッセージをくれる兄に感謝。

 

そして昨日11/6は生きていれば32歳の誕生日の日。おめでとう。

 

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